新型Tesla K20X GPUアクセラレータ、 現在世界最速のスーパーコンピュータであるTitanに搭載され、 パフォーマンスの90%を提供
2012年11月12日 - ユタ州ソルトレークシティー(SC12) -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、SC12 Supercomputing Conferenceにおいて、NVIDIA® Tesla® K20ファミリーのGPUアクセラレータを発表しました。これは、史上最速のパフォーマンスと史上最高の効率を誇るアクセラレータであるとともに、SC12で同日発表されたTop500リスト で世界最速とされたスーパーコンピュータ、Titanを支えるテクノロジでもあります。
オークリッジ国立研究所(テネシー州オークリッジ)のTitanスーパーコンピュータ は、18,688個のNVIDIA Tesla K20X GPUアクセラレータにより、LINPACKベンチマークで17.59ペタフロップスものパフォーマンスをたたきだし、スーパーコンピュータのランキングトップをローレンス・リバモア国立研究所のSequoiaシステムから奪いました。 (1)
Tesla K20-パフォーマンスとエネルギー効率でトップを走る
革新的なNVIDIA Kepler™コンピュート・アーキテクチャ を採用したTesla K20ファミリー製品には、NVIDIAが誇るTeslaアクセラレーテッド・コンピューティング製品ラインの中でもフラッグシップとなるTesla K20Xアクセラレータがあります。
K20Xは単一プロセッサとして史上最高のコンピューティング・パフォーマンスを持っており、最新CPUと組み合わせると、アプリケーションを10倍以上に高速化することができます (2)。この組み合わせでは、ピークパフォーマンスが単精度浮動小数点で3.95テラフロップス、倍精度浮動小数点で1.31テラフロップスと、計算処理パフォーマンスの一般的な基準、両方で他のプロセッサを凌駕する結果をたたき出しました。
この製品ファミリーでは、単精度浮動小数点で3.52テラフロップス、倍精度浮動小数点で1.17テラフロップスのピーク性能を持つTesla K20アクセラレータも提供されています。GPUアクセラレータのK20XとK20は、過去30日間に、累計パフォーマンスで30ペタフロップス分以上も出荷されました。これだけで、昨年時点におけるスーパーコンピュータ上位10機種の合計に相当することになります。
スイス連邦工科大学チューリヒ校の数値物理学教授でスイス国立スーパーコンピューティング・センター ディレクターも務めるトーマス・シュルテス(Thomas Schulthess)博士は、次のように述べています。「我々は、NVIDIA GPUアーキテクチャを活用して、気候学や気象学、地震学、宇宙物理学、流体力学、材料工学、分子生物物理学など、幅広い分野でシミュレーションの大幅な高速化を実現しています。K20ファミリーのアクセラレータは、NVIDIAが従来提供していたFermiアーキテクチャと比べてコンピューティング能力が格段に高くなっているため、生産性が高く、今後は、いままでは得られなかった知見を手に入れられる可能性があるものと期待しています。」
このほか、すでに導入しているところとしては、クレムソン大学、インディアナ大学、トーマス・ジェファーソン国立加速器施設(ジェファーソン・ラボ)、アブドラ王立科学技術大学(KAUST)、米国立スーパーコンピュータ応用研究所(NCSA)、米海洋大気庁(NOAA)、オークリッジ国立研究所(ORNL)、南カリフォルニア大学(USC)、上海交通大学(SJTU)があります。
高いエネルギー効率で「グリーンな」データセンターを実現する
Tesla K20X GPUアクセラレータは、旧世代のGPUアクセラレータに対してエネルギー効率が3倍と、CPUに対するエネルギー効率の優位性がさらに高まっています。
Tesla K20Xアクセラレータを採用したオークリッジ国立研究所のTitanは、1ワットあたりのパフォーマンスが2,142.77メガフロップスに達しています。これは、スーパーコンピュータのエネルギー効率ランキング、Green500リストの最新版でトップとなったシステムを上回るエネルギー効率です。 (3)
幅広いデータセンター・アプリケーションで最速を実現
Tesla K20ファミリーは、科学、エンジニアリング、商用と分野を問わず、幅広いハイパフォーマンスコンピューティング・アプリケーションとデータセンター・アプリケーションを高速化することができます。現在、GPUアクセラレーションを活用しているソフトウェア・アプリケーションはこの1年ほどで60%も増え、200種類を超えています。
Intel Sandy Bridge CPUを搭載したサーバにTesla K20X GPUアクセラレータを追加すると、以下のように、多くのアプリケーションが10倍以上まで高速化されます。(4)
- MATLAB(エンジニアリング)-18.1倍
- Chroma(物理学)-17.9倍
- SPECFEM3D(地球科学)-10.5倍
- AMBER(分子動力学)-8.2倍
Tesla K20 GPUアクセラレータについての詳しい情報は、11月12日から15日まで開催されているSC12のNVIDIAブース(2217番)に展示されています。NVIDIAのハイパフォーマンスコンピューティングに関するウェブページでも情報を提供しています。ホスティング方式のクラスタを使い、リモートでTesla K20アクセラレータの効果を体験できるプログラムも用意されています。体験に費用はかかりません。興味のある方は、GPU Test Driveのウェブページ をご覧ください。
供給状況
NVIDIA Tesla K20ファミリーのGPUアクセラレータはすでに出荷中で、Appro、ASUS、Cray、Eurotech、Fujitsu、HP、IBM、Quanta Computer、SGI、Supermicro、T-Platforms、Tyanなどの大手サーバ・メーカーおよびNVIDIA代理店に発注すれば入手することができます。
About NVIDIA Tesla GPU
NVIDIA Tesla GPUはNVIDIA CUDA®並列コンピューティング・プラットフォーム採用の超並列アクセラレータです。Tesla GPUはハイパフォーマンスコンピューティング、計算科学、スーパーコンピューティングに対応できるように基礎から設計したプロセッサで、科学的アプリケーションや商用アプリケーションにおいてCPUのみのアプローチよりも劇的に高いパフォーマンスを提供することができます。
CUDAについての詳細を知りたい場合、あるいは、その最新バージョンをダウンロードしたい場合は、CUDAウェブサイトをご覧ください。そのほか、NVIDIAニュース&イベントにおいて、NVIDIA関連のニュース、会社や製品に関する情報、動画/画像など、さまざまな情報を提供しています。ツイッターでも情報を提供しています(@NVIDIATesla)。
About NVIDIA
1999年、NVIDIAによるグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の発明が、世界中の人々にコンピュータグラフィックスの可能性を認識させることとなりました。今日、NVIDIAのプロセッサはスマートフォンからスーパーコンピューターまでの幅広い製品に、またモバイル・プロセッサは携帯電話、タブレット、および車載インフォテインメント・システムに搭載されています。なかでもPCゲーム分野ではリアリティあふれる仮想空間の実現によって多くのゲーマーを魅了しています。専門的な分野では、映画製作における高度な視覚効果や3Dグラフィックスをはじめ、ジャンボジェット機からゴルフクラブにいたるまであらゆるものの開発に役立っているほか、より高性能なコンピューターを必要とする先端科学の研究者にも利用されています。NVIDIAが保有する特許は申請中のものも含めると5,000件以上に上っており、近代的なコンピューティング技術の基礎となっているものも数多く含まれています。当社の詳細については www.nvidia.co.jp または日本語サイト //www.nvidia.co.jp をご覧ください。
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(1) ローレンス・リバモア国立研究所(リバモア)のSequoiaシステムは、パフォーマンスが16.3ペタフロップスです。出典:Top500.org(www.top500.org/lists/2012/06)
(2) CPUの結果を計測したシステム:デュアルソケットE5-2687w、3.10GHz。GPUの結果を計測したシステム:デュアルソケットE5-2687w+2 Tesla K20X GPU。
(3) 出典:Green500.org(www.green500.org/lists/green201206)
(4) システム構成-CPUシステム:デュアルソケットE5-2687w、3.10GHz CPU。GPUシステム:デュアルソケットE5-2687w CPU+2 Tesla K20X GPU。(MATLABについては、3.4GHzのi7-2600K CPU 1個構成とTesla K20 GPU 1個でFFTを走らせて比較)
本参考情報に記載されている記述の中には、NVIDIA Tesla GPUに関する効果、性能、特徴、恩恵や、NVIDIAのコンピュータ技術に関する特許の影響など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、世界的な経済環境、サードパーティーに依存する製品の製造、組立、梱包、試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Qの2012年7月29日を末日とする会計年度レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。 これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基づくものであり、NVIDIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません。
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