Jetson TK1開発キット、Tegra K1の計算能力を活用し、 ロボティクス、医療、航空エレクトロニクス、自動車などの領域で 新たなコンピュータビジョン・アプリケーションを実現
2014年3月25日 - GTC 2014(カリフォルニア州サンノゼ) -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、組み込みシステムに使える世界初のモバイル用スーパーコンピュータをベースとした開発プラットフォームを発表し、コンピュータビジョンと画像処理、リアルタイム・データ処理を伴う新世代アプリケーションの開発を可能にしました。
これがNVIDIA® Jetson™ TK1プラットフォームで、ロボットがシームレスに動きまわったり、医師がリモートで超音波診断をおこなったり、無人機械のドローンが移動する物体をよけたり、自動車が歩行者を検出したりできるシステムやアプリケーションが開発できるツールとなります。
通常の組み込みプラットフォームの3倍近い326ギガフロップスものパフォーマンスを誇るJetson TK1開発キットには、いま、世界で一番普及している並列コンピューティングのプラットフォームおよびプログラミングモデル、NVIDIA CUDA®アーキテクチャをベースとしたフルC/C++ツールキットが用意されています。組み込みシステムでは、一般に、FPGA、カスタムASIC、DSPプロセッサが使われますが、それと比べて格段にプログラミングしやすくなります。
NVIDIAアクセラレーテッド・コンピューティング担当副社長のイアン・バック(Ian Buck)は、次のように述べています。「Jetson TK1は、マシン同士がやりとりし、環境に即応する未来に向けた近道となる組み込みコンピューティングのプラットフォームです。このプラットフォームなら、ハンドヘルド機器でもコンピュータビジョンがフルに使えますし、低消費電力機器でスーパーコンピューティングを実現することができます。」
心臓部はTegra K1
Jetson TK1開発キットの心臓部には、Tegra® K1モバイル・プロセッサが採用されています。これはNVIDIA Kepler™アーキテクチャを採用した192コアのスーパーチップで、エネルギー効率が高い最先端のGPUです。Tegra K1に用意された192個のコアはすべてフルにプログラム可能であり、先進のグラフィックスやコンピューティングをモバイル機器で実現することができます。
Tegra K1プロセッサのKeplerは、米国最速のスーパーコンピュータであるオークリッジ国立研究所のTitanスーパーコンピュータに採用されているアーキテクチャで、効率の高いスーパーコンピュータ、世界のトップ10に採用されているアーキテクチャです。開発環境のCUDAはユーザーが世界全体で10万人以上で、62カ国の有名大学でカリキュラムに取り入れられていますが、Jetson TK1はこのCUDAに合うように基礎から作られた開発キットであり、多くの計算処理を要求するシステムの開発・展開に必要なプログラミング・ツール各種が用意されています。
幅広い支持を獲得
この開発プラットフォームには、産業界、ロボティクス、医療など、さまざまな分野の開発者やシステムビルダから支持が寄せられています。
「Jetson TK1のパフォーマンスとエネルギー効率なら、オブジェクトをリアルタイムに認識し、自律的な移動ができる魅力的な機能を持つロボットが開発できるのではないかと思います。いままで旧世代のCUDA開発キットを使ってきましたが、さらにロボットをトレーニングして環境との相互作用をインテリジェント化することができました。」
――iRobot Corporationの戦略的技術開発担当ディレクタ、クリス・ジョーンズ(Chris Jones)氏
「Tegra K1の登場で、堅牢な産業用組み込み機器の市場で可能なことが一変するものと思われます。いままでなら100ワット以上を消費したはずのソリューションを10ワット以下で提供できるようになるはずです。」
――GE Intelligent Platformsプロダクト・マネジャー、サイモン・コリンズ(Simon Collins)氏
VisionWorksソフトウェア・ツールキット
Jetson TK1プラットフォームはNVIDIA VisionWorks™ツールキットをサポートしています。このツールキットには、コンピュータビジョンと画像処理のアルゴリズムが豊富に用意されており、ごく短い時間でアプリケーションが開発できます。ロボティクス、拡張現実(AR)、コンピュテーショナル・フォトグラフィ、ヒューマンコンピュータ・インターフェース、アドバンスト・ドライバ・アシスタンス・システム(ADAS)などの領域において、CUDAによる能力が活用できるようになるのです。
開発者ツール
Jetson TK1開発キットは、デバッガやプロファイラといったCUDA 6.0開発者ツール・スイートをフルサポートしており、超並列処理アプリケーションを開発することができます。CUDA 6では、また、FFTや線形代数、疎行列、さらには画像や動画の処理までを高速化できるNVIDIAライブラリをARMプラットフォームで使うことができます。
ハードウェア機能
Jetson TK1は、Tegra K1用として初となる開発プラットフォームです。Tegra K1は、先日、1月のコンシューマー・エレクトロニクス・ショーで発表されたスーパーチップで、メモリを2GB搭載しているほか、USB 3.0、HDMI 1.4、Gigabit Ethernet、オーディオ、SATA、miniPCIe、SDカード・スロットに対応した入出力コネクタが用意されています。
Tegra K1は、CUDAとVisionWorksツールキットに加えてOpenGL 4.4なども使えるボード・サポートのパッケージとソフトウェア・スタックが用意されています。開発ツールとプロファイリング・ツールのスイートも用意されており、箱から出しただけの状態でカメラをはじめとする周辺機器が利用できます。また、Avionic Design、GE Intelligent Platforms、ICD、SECO、東芝デジタルメディアエンジニアリングなど、NVIDIAのパートナー・サポート・ネットワークも用意されています。
供給状況
NVIDIA Jetson TK1開発キットは、本日より、米国向けの予約を受け付けます。価格は192ドル、予約はNVIDIA、Microcenter、Neweggで行えます。また、欧州では、Avionic Design、SECO、Zotacで予約が行えます。日本では、菱洋エレクトロを通じて販売します。
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本参考情報に記載されている記述の中にはNVIDIA Jetson TK1の効果、恩恵、性能、特長および供給や、NVIDIA Tegra K1およびNVIDIA VisionWorksツールキットの効果および恩恵など、これらに限らず、将来予測的なものが含まれており、予測とは大幅に異なる結果を生ずる可能性があるリスクと不確実性を伴っています。これらのリスクと不確実性に関してはこれらに限らず、世界的な経済環境、サードパーティーに依存する製品の製造、組立、梱包、試験、技術開発および競合による影響、新しい製品やテクノロジの開発あるいは既存の製品やテクノロジの改良、当社製品やパートナー企業の製品の市場への浸透、デザイン、製造、あるいはソフトウェアの欠陥、ユーザの嗜好および需要の変化、業界標準やインターフェースの変更、システムを統合する際の当社製品および技術の予期せぬパフォーマンスの損失などがあり、その他のリスクの詳細に関しては、Form 10-Kの2014年1月26日を末日とする会計年度レポートなど、米証券取引委員会(SEC)に提出されているNVIDIAの報告書に適宜記載されます。 これらの将来予測的な記述は発表日時点での見解に基づくものであり、NVIDIAはこれらの記述を更新する一切の義務を負いません
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