Linux x86アプリケーションのGPUアクセラレーテッドPOWERシステム移植や 開発が簡単に行える最適化コンパイラ
2014年11月18日 - カリフォルニア州サンタクララ -NVIDIA(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼CEO: ジェンスン・フアン(Jen-Hsun Huang)、Nasdaq:NVDA)は本日、広く採用されているPGI®最適化コンパイラの拡張版を開発中であると発表しました。このコンパイラを使うと、最小限の努力と期間で、IBM POWER CPUシステム上で動くLinux x86ベースのGPUアクセラレーテッド・アプリケーションを開発したり走らせたりすることができます。
Fortran、C、C++に対応したPOWER用PGI最適化コンパイラ各種には、PGI Linux x86コンパイラと同等のユーザ・インターフェース、言語機能、並列プログラミング機能、最適化機能が用意されます。
新しいコンパイラは、先日発表したNVIDIA GPUアクセラレーテッドIBM POWER8システムといったIBM POWERアーキテクチャをベースとしたハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)システムや、OpenPOWER Foundationメンバーが開発中の各種システムもサポートする計画です。
NVIDIAでPGIのコンパイラとツールを担当するディレクタ、ダグラス・マイルス(Douglas Miles)は、次のように述べています。「我々の目標は、ひとつの共通ソースコードをベースとしてリコンパイルを行えば、主なCPUプラットフォームとGPUアクセラレーテッド・プラットフォームのすべてでアプリケーションを走らせ、等しく高性能が発揮できるようにすることです。いまPGIコンパイラで作られているGPUアクセラレーテッドx86アプリケーションは、基本的に、リコンパイルするだけでGPUアクセラレーテッドPOWERシステムへポーティングできるようになるはずです。」
POWER8 CPUは、ハードウェア・スレッドを8本も並行処理できるコアを12コアも搭載した超マルチスレッドのプロセッサです。POWER8アーキテクチャは、もともと、ビッグデータ・アプリケーションやクラウド・サーバー・アプリケーション用として開発されたものですが、いまは、HPC分野で人気となっています。広帯域CAPIポート(Coherent Accelerator Processor Interface)が使える、将来的にはNVLink™高速GPUインターコネクトをサポートする予定であるなど、パフォーマンス指向の機能が豊富だからです。
オークリッジ国立研究所オークリッジ・リーダーシップ・コンピューティング施設のプロジェクト・ディレクタ、バディ・ブランド(Buddy Bland)氏は、次のように述べています。「ハードウェア・テクノロジのブレークスルーを活用する際、大きな問題となるのが、プロダクションのHPCアプリケーションをあるプラットフォームから別のプラットフォームへとポーティングし、最適化する処理です。我々は、2005年以来、JaguarとTitanで基本的にPGIコンパイラを使ってきました。PGIコンパイラ・スイートがPOWER環境で使えるようになってくれれば、いま使っているCPUのみのTitanアプリケーションやGPU対応のTitanアプリケーションを次の主力システムへとポーティングするにあたり、連続性を保つこともできますし、コードのポータビリティも上がることになります。」
IBMでOpenPOWERテクニカル・コンピューティングを担当する副社長、デイブ・トレック(Dave Turek)氏は、次のように述べています。「IBMのLinuxやx86システムには昔から複数のHPCコンパイラ・ソリューションが用意されており、最高の能力と機能を活用してHPCが行える状況にありました。広く普及しているPOWER8用IBM XL最適化コンパイラに加えてPGIコンパイラが利用できるようになれば、次世代のIBM POWERシステム・プラットフォームにおいても同様の柔軟性とメリットが得られることになります。」
IBM POWERベースのシステムで活用できるPGIコンパイラとそのツールについて、主な機能を紹介します。
- アクセラレータ対応OpenACC®ディレクティブ-統合メモリのサポートも含め、NVIDIA®が提供する最新世代のGPUアクセラレータ搭載システムにおいて、PGIアクセラレータ・ネイティブのFortran 2003、C11、C++11コンパイラであらゆるOpenACC機能が使えるようになります。
- PGI CUDA Fortranエクステンション-Linux/x86プラットフォームのCUDA® Fortranと同等の機能が使えます。柔軟でパワフルなNVIDIA CUDAプログラミングモデルをGPUアクセラレーテッドPOWERシステムのネイティブFortranコンパイラで使えるようになるのです。
- OpenMPパフォーマンスの向上-最近のSPEC OMP2012ベンチマーク・スイートにおいて、IntelとAMDの最新AVX対応マルチコアx64プロセッサを使ったGCC 4.8と比べ、PGIコンパイラは、平均75%も高速となります。
- PGI最適化機能-Fortran 2003、C11、C++11コンパイラであらゆるPGIマルチコア最適化機能が使えます。包括的なループ最適化、メモリ階層最適化、SIMDベクトル命令化、関数のインライン展開、プロシージャ間の解析と最適化、プロファイルのフィードバックなどが使えるのです。
PGIコンパイラとそのツールが持つ機能や能力についての詳しい情報は、www.pgroup.com/support/new_rel.htmをご覧ください。
供給状況と無償試用
POWERをサポートしたPGIコンパイラの供給状況については、後日、改めて発表する予定です。x86をサポートしたPGI 2014は、本日より、NVIDIAおよびその正規販売店を通じて供給を開始します。PGI 2014には30日間無償試用も用意されています。登録は、www.pgroup.comで行えます。
PGI Softwareについて
PGI SoftwareはNVIDIAブランドのひとつで、IntelおよびAMDのx64プロセッサとNVIDIAやAMDのHPCアクセラレータを搭載したワークステーションやサーバー、クラスタにおいて高性能なパラレルFortran、C、C++が使えるコンパイラとツールを提供しています。詳しい情報は、www.pgroup.comをご覧ください。sales@pgroup.comへ電子メールをお送りいただくか、(503) 682-2806へ電話をしていただくこともできます。
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