CINECA、NVIDIA と Atos の技術を搭載した
世界最速 AI スーパーコンピューターを構築

新しい「Leonardo」システムが実現する 10 エクサフロップスの AI 性能により、 イタリアの HPC および AI 研究を強化

2020 年 10 月 15 日、カリフォルニア州サンタクララ — NVIDIA は、世界最高クラスのスーパーコンピューティング センターであるイタリアの大学間コンソーシアムの CINECA が、NVIDIA のアクセラレーテッド コンピューティング プラットフォームを使用して、世界最速の AI スーパーコンピューターを構築することを発表しました。

Atos の協力により構築される新しい「Leonardo」システムは、FP16 (半精度浮動小数点演算) を 10 エクサフロップスで実行する AI 性能を備え、高度な AI と HPC の統合アプリケーションのユースケースを可能にすることが期待されています。約 14,000 の NVIDIA Ampere アーキテクチャ ベースの GPUNVIDIA® Mellanox® HDR 200Gb/s InfiniBand ネットワークを備えた Leonardo により、イタリアは、AI とハイパフォーマンス コンピューティングの研究およびイノベーションの世界的リーダーに躍り出ることになります。

Leonardo を調達するのは、EU および EU 各国政府のコラボレーションの下、欧州で世界クラスのスーパーコンピューティング エコシステムおよびエクサスケールのスーパーコンピューティングを開発している EuroHPC です。また、イタリアの大学・研究省 (Italian Ministry of University and Research) を通じて欧州委員会から資金が提供されます。

NVIDIA のソリューション アーキテクチャおよびエンジニアリング担当副社長であるマーク ハミルトン (Marc Hamilton) は、次のように述べています。「欧州におけるエクサスケールの実現を目指す EuroHPC のテクノロジ ロードマップにより、HPC と AI の急速な成長とイノベーションへの扉が開かれつつあります。私たちは CINECA および Atos と連携して、幅広い分野で利用できる科学的発見をさらに押し進めており、エクサスケール コンピューティング時代の到来を告げるプラットフォームを提供していきます。」

現代の科学計算は、高性能シミュレーション、データ分析、AI および機械学習、可視化を必要としています。NVIDIA のコンピューティング プラットフォームは、これらすべてのワークロードを加速すると同時に、非常に高いスループットと低消費電力を可能にするので、科学計算に最適です。このアプローチを使用した研究の例として、以下の分野での取り組みが挙げられます。

  • 創薬: ゲノム解析を使用して、COVID-19 などの病気と闘うために、特異的薬剤の標的になりうる有望なたんぱく質を特定します。
  • 宇宙探査および宇宙研究: 電磁波、重力波、ニュートリノなどのさまざまなソースからデータを組み込む、マルチメッセンジャー宇宙物理学のツールを利用して、宇宙への理解をさらに深めます。
  • 気象モデリング: さらに高精度、高速に異常気象を予測します。

Leonardo スーパーコンピューターは、材料工学から高エネルギー物理学、気候変動まで、多分野にわたる科学的課題の解決に役立ちます。CINECA の既存システムは、現在、欧州で最速を誇る、NVIDIA ベースの高等教育研究用スーパーコンピューターですが、このシステムと Leonardo は全く同じ CUDA® ソフトウェア の運用を予定しているため、科学者や研究者は、この新しいシステムですぐに高い生産性を得ることができます。

CINECA の HPC 部門でディレクターを務めるサンツィオ バッシーニ (Sanzio Bassini) 氏は、次のように述べています。「CINECA は、HPC アプリケーション開発の促進にあたり、研究コミュニティと産業界の両方を進化させる上で重要な役割を果たしています。Leonardo スーパーコンピューターは、現代のエクサスケール スーパーコンピューターが持つ可能性の限界を押し上げようとする、私たちの長期的な取り組みの産物なのです。」

また、Atos イタリア法人の CEO であるジュゼッペ ディ フランコ (Giuseppe di Franco) 氏は、次のように述べています。「HPC でのアクセシビリティの要求が高まり、研究や産業において AI の利用が拡大している中、世界をリードするスーパーコンピューターの構築方法の要件として、柔軟性とシンプルさが強く求められるようになってきました。Atos は、ヨーロッパを代表するスーパーコンピューター メーカーとしてこの要件を満たすため、現代に合ったスタンダードの採用に取り組んできました。Atos は、スーパーコンピューティングの世界を誰もが利用でき、その恩恵を受けられるよう、さらにレベルアップしていきます。」

Leonardo は、Atos の BullSequana XH2000 スーパーコンピューター ノードから構築され、各ノードには NVIDIA Tensor コア GPU が 4 基、Intel CPU が 1 基搭載されます。また、NVIDIA Mellanox HDR 200Gb/s InfiniBand 接続を使用し、スマートな In-network Computing のアクセラレーション エンジンにより、極めて低いレイテンシと高いデータ スループットを実現するため、AI および HPC アプリケーションにおける最高の性能と拡張性が得られます。

NVIDIA Ampere アーキテクチャ GPU は、物質科学向けの Quantum Espresso、地球科学向けの SPECFEM3D、量子物理学向けの MILC など、1,800 を超える HPC アプリケーションを最大 70 倍高速化でき、以前は大きな課題であったシミュレーションをほぼリアルタイムに実行できるタスクにします。

CINECA の Leonardo システム、NVIDIA の高速コンピューティング プラットフォームを搭載したその他 3 つの AI スーパーコンピューターに関する EuroHPC の最近の発表については、こちらをご覧ください。

NVIDIA について
1999 年における NVIDIA (NASDAQ 表示: NVDA) による GPU の発明は、PC ゲーミング市場の成長に爆発的な拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックスを再定義し、並列コンピューティングに革命的変化を起こしました。最近では、GPU ディープラーニングが最新の AI (次世代コンピューティング) に火をつけ、世界を知覚し理解することができるコンピューター、ロボット、自律走行車の脳として GPU は機能しています。詳細は、こちらのリンクから: www.nvidia.com/ja-jp/