新しいオンチップ型データセンター インフラストラクチャ ソフトウェア、DOCA SDKにより、開発者は新たなDPUアクセラレーテッド インフラストラクチャ アプリケーションを開発可能に。VMware がハイブリッド クラウド アーキテクチャの再定義としてNVIDIA BlueField-2 へのサポートを発表
2020 年 10 月 5 日、カリフォルニア州サンタクララ — GTC — NVIDIA は本日、ネットワーク、ストレージおよびセキュリティの性能におけるブレイクスルーを実現する、斬新なDOCA (Data-Center-Infrastructure-on-a-Chip Architecture) をサポートする新たなプロセッサ、DPU(Data Processing Unit)を発表しました。
本日の GPU テクノロジ カンファレンスの基調講演において、NVIDIA の創業者/CEO であるジェンスン フアン (Jensen Huang) は、NVIDIA の DPU についての今後 3 年間のロードマップを明らかにしました。このロードマップには、新しい DPU の NVIDIA® BlueField® -2 ファミリー、ならびに DPU アクセラレーテッド データセンター インフラストラクチャ サービスでアプリケーションを構築するための NVIDIA DOCA™ ソフトウェア開発キットが含まれています。
フアンは、次のように述べています。「データセンターは、コンピューティングにおける新たな単位になっています。DPU は、最先端のセキュアで高速化されたデータセンターには欠かせない要素であり、そのようなデータセンターでは、1 つのコンピューティング ユニットのなかに、CPU、GPU および DPU が組み込まれるようになるでしょう。このユニットは完全にプログラマブルで、AI に対応し、これまで不可能に思えたようなセキュリティと演算能力をもたらします」
クリティカルなネットワーク、ストレージおよびセキュリティのタスクを CPU からオフロードするために最適化された BlueField-2 DPU により、組織は、既存の IT インフラストラクチャを、「ゼロトラスト」セキュリティを実装した、最先端のデータセンターへと変容させることができるようになります。このデータセンターは高速化され、完全にプログラマブルであり、情報漏洩とサイバーアタックを防ぐための「ゼロトラスト」セキュリティ機能を装備します。
BlueField-2 DPU は、単独で、最大 125 個の CPU コアを消費して得られるのと同程度のデータセンター サービスの提供が可能になります。これにより、貴重な CPU コアの負荷を軽減し、他の多様なエンタープライズ アプリケーションを実行できるようになります。
数多くのメーカーが NVIDIA DPU を採用
ASUS や Atos、Dell Technologies、富士通、GIGABYTE、New H3C Information Technologies、Inspur Electronic Information、Lenovo、Quanta/QCT、Supermicro といった、世界中の大手サーバー メーカーが、自社のエンタープライズ向けサーバー製品に NVIDIA DPU を組み込む予定です。
システム プロバイダーのこのような姿勢に加え、ソフトウェア インフラストラクチャ パートナーも、以下のように NVIDIA DPU を積極的に活用しようとしています。
- VMware は、30 万以上の顧客を擁する VMware Cloud Foundation で BlueField-2 DPU に対応するための具体的な作業を NVIDIA と進めていると発表しています。
- Red Hat は、Fortune 500 企業の 95% が使用している、自社のオープン ハイブリッド クラウド ポートフォリオを構成する、Red Hat Enterprise Linux および Red Hat OpenShift で BlueField-2 DPU に対応する予定です。
- Canonical は、パブリック クラウドでもっとも人気の高いオペレーティング システムである Ubuntu Linux プラットフォームで BlueField-2 DPU および DOCA に対応すると発表しました。
- 大手のサイバーセキュリティ プロバイダーである Check Point Software Technologies は、全世界の 10 万以上の組織がサイバーアタックからの防御に使用している、同社のテクノロジを BlueField-2 DPU で実装する予定です。
NVIDIA DPU ポートフォリオ:
NVIDIA の現在のDPU ラインアップには、以下の 2 つの PCIe 製品が含まれています。
- NVIDIA BlueField-2 DPU では、NVIDIA Mellanox® ConnectX® -6 Dx SmartNIC のすべての機能が、パワフルな Arm コアに組み合わされています。完全にプログラマブルな NVIDIA BlueField-2 DPU は、200 Gbps のデータ転送速度を誇り、アイソレーションやルートオブトラスト、鍵管理、RDMA/RoCE、GPU Direct、エラスティックなブロック ストレージ、データ圧縮といった、重要なデータセンター セキュリティ、ネットワークおよびストレージのタスクを加速します。
- NVIDIA BlueField-2X DPU は、NVIDIA Ampere GPU の AI 機能と、BlueField-2 DPU の主要な性能をすべて備えており、データセンターのセキュリティ、ネットワークおよびストレージのタスクに利用することができます。NVIDIA の第 3 世代の Tensor コアによって NVIDIA BlueField-2X DPU は、機密データの漏洩を示す異常なトラフィックの検知やラインレートでの暗号化トラフィックの分析、ホストイントロスペクションによる悪意のある活動の識別、および動的なセキュリティのオーケストレーションや自動応答といった、リアルタイムでのセキュリティ分析にAI を活用することができます。
NVIDIA DOCA ソフトウェア開発キット
新しい NVIDIA DOCA SDK により、開発者は、NVIDIA CUDA® プログラミング モデルによって GPU アクセラレーション アプリケーションを構築するのと同じような方法で、DPU アクセラレーション データセンター インフラストラクチャ サービスでアプリケーションを構築することができます。
DOCA により、開発者は、包括的でオープンなプラットフォームが利用可能になり、DPU の BlueField ファミリーで動作する、ソフトウェア デファインドかつハードウェアで高速化されたネットワーク、ストレージ、セキュリティおよび管理のためのアプリケーションを構築することができるようになります。
DOCA は、サードパーティのアプリケーション プロバイダーが先進の DPU データセンター アクセラレーション サービスを活用してアプリケーションの開発、認定および顧客への配布を行えるように、便利でコンテナ化されたソフトウェア環境を提供するソフトウェア カタログ、NVIDIA NGC™ に完全に統合されています。
発売予定
BlueField-2 DPU は、現在サンプリングが行われており、2021 年には大手のサーバー メーカーの新しいシステムに搭載される予定です。BlueField-2X DPU は現在開発中で、こちらも 2021 年に入手可能となる予定です。
DOCA は現在、アーリー アクセス パートナーが入手可能となっています。
NVIDIA について
1999 年における NVIDIA (NASDAQ 表示: NVDA) による GPU の発明は、PC ゲーミング市場の成長に爆発的な拍車をかけ、現代のコンピューター グラフィックスを再定義し、並列コンピューティングに革命的変化を起こしました。最近では、GPU ディープラーニングが最新の AI (次世代コンピューティング) に火をつけ、世界を知覚し理解することができるコンピューター、ロボット、自律走行車の脳として GPU は機能しています。詳細は、こちらのリンクから: www.nvidia.com/ja-jp/