NVIDIA DLSS 4、すべての DLSS テクノロジーにマルチフレーム生成と強化を導入

NVIDIA DLSS は、GeForce RTX Tensor コアを搭載したニューラルレンダリング テクノロジーの結晶です。700 本以上の RTX ゲームやアプリケーションでフレームレートを向上させるだけでなく、ネイティブ解像度レンダリングに匹敵する鮮明で高品質な画像を実現します。

CES 2025 で紹介した DLSS 4 は、再び DLSS の進化を押し進めます。DLSS 4 は、GeForce RTX 50 シリーズ GPU 向けにマルチフレーム生成を採用し、GPU の発売時には 75 本のゲームおよびアプリケーションでマルチフレーム生成をサポートします。

DLSS マルチフレーム生成は、従来のレンダリングに加えて、追加で最大 3 フレーム生成します。DLSS テクノロジーの一連のスイートとの連携により、フレームレートは従来のブルートフォース レンダリングと比較して最大 8 倍まで向上します。この GeForce RTX 5090 グラフィックスカードの大幅なパフォーマンス向上により、4K 画質、240 FPS、フルレイトレーシングを実現したゲーミング体験を楽しむことができます。

 

この『サイバーパンク2077』を利用した比較では、GeForce RTX 5090 はマルチフレーム生成を備えた DLSS 4 によって、従来のブルートフォース レンダリングと比較してパフォーマンスを 8 倍以上向上し、PC 遅延が半減しました。これにより画像品質はさらに向上し、より応答性が優れたゲームプレイが可能になりました。

DLSS 4 は、 AI モデルに 2020 年の DLSS 2.0 以来となる最大級のアップグレードを実施しました。

DLSS レイ再構築、DLSS 超解像度、および DLAA を実行するアーキテクチャとして、ChatGPT や Flux、Gemini などの最先端 AI モデルにも使用されるリアルタイムアプリケーション「transformer」をグラフィックス業界で初めて搭載します。この DLSS transformer モデルは、安定性の向上、ゴーストの削減、モーションのディテールの向上により、画像品質を改善します。

 

NVIDIA の Bryan Catanzaro と Edward Liu による DLSS 4 の紹介ビデオを視聴する

GeForce RTX 50 シリーズの提供に加えて、NVIDIA のアプリのユーザーはこれらの機能強化に対応したゲームやアプリをアップグレードすることができます。

フレーム生成に対応している 75 本の DLSS ゲームやアプリは、GeForce RTX 50 シリーズ GPU によるマルチフレーム生成にアップグレードできます。

これらのゲームは、GeForce RTX 50 シリーズおよび GeForce 40 シリーズ GPU によってフレーム生成機能がアップグレードされ、VRAM の使用量削減とパフォーマンス向上を両立します。

また、すべての GeForce RTX GPU で、レイ再構成、超解像度、および DLAA に対応した DLSS ゲームを新しい DLSS transformer モデルにアップグレードできます。

DLSS マルチフレーム生成: GeForce RTX 50 シリーズ GPU で性能を飛躍

DLSS 3 のフレーム生成に用いられる AI モデルは、モーションベクトルや深度などのゲームデータと、GeForce RTX 40 シリーズのオプティカルフロー アクセラレーターのオプティカルフロー フィールドを活用して、追加フレームを生成します。従来、複数のフレームを生成する際には、新たに生成されるフレームごとにオプティカルフロー アクセラレーターと AI モデルの両方が必要となるため、そのコストは非常に高いものでした。加えてパフォーマンスコストによって GPU の性能が調整されてしまい、結果として入力フレームレートは低下してしまうことがありました。

DLSS 4 マルチフレーム生成は、複数の Blackwell ハードウェアと DLSS ソフトウェアのイノベーションを組み合わせることで、複数フレームの生成を実現しました。

新しいフレーム生成 AI モデルは、40% の高速化と VRAM 使用率の 30% 削減を達成しただけでなく、各フレームごとに一度のレンダリングだけで複数フレームの生成ができるようになりました。『Warhammer 40,000: Darktide』 を使った実験では、この AI モデルは DLSS フレーム生成によってフレームレートを 10% 高速化し、4K 画質、最高設定でのメモリ使用量を 400MB 減少させました。

また、ハードウェアのオプティカルフローを非常に効率的な AI モデルに置き換えることで、オプティカルフロー フィールドの生成を加速させました。複数の AI モデルを組み合わせることで、追加のフレームを生成するための計算コストを大幅に削減します。

より高いフレームレートとより低い総 VRAM 消費量を実現する新しいフレーム生成モデル。GeForce RTX 5090 を使用し、『Warhammer 40,000: Darktide』よりキャプチャ。4K 画質、ゲーム内設定は最高に設定、および DLSS フレーム生成を使用。

このような高い効率でも、超解像度、レイ再構築、およびマルチフレーム生成を実行するには、GPU はレンダリングされたフレームごとに 5 つの AI モデルを動作させる必要があります。これを達成するために、GeForce RTX 50 シリーズの GPU は、最大 2.5 倍の AI 処理性能を備えた第 5 世代の Tensor コアを搭載しています。

新しいフレームが生成されると、スムーズな体験を提供できるようフレームの動きが均等に調整されます。DLSS 3 フレーム生成では、追加フレームと混合することができるように CPU ベースの変動性のペーシングを採用していたため、各フレーム間のフレームペースの一貫性が低く、動きの滑らかさにも欠けていました。

複数フレーム生成の複雑さに対処するために、Blackwell はハードウェア フリップメータリング機能を採用しています。これにより、フレームペーシング ロジックをディスプレイエンジンに移行し、GPU が表示タイミングをより正確に管理できるようになります。また、Blackwell ディスプレイエンジンによってピクセル処理能力は 2 倍に強化され、DLSS 4 による更に高い解像度でのハードウェア フリップメータリングとリフレッシュレートをサポートします。

NVIDIA の新しいハードウェアとソフトウェアのイノベーションが連携して機能することで、DLSS 4 は16 ピクセル中 15 ピクセルを優れた画質、滑らかさ、遅延で生成できるようになります。

ゲームやアプリの場合、マルチフレーム生成、レイ再構築、超解像度を備えた DLSS 4 は、ブルートフォース レンダリングと比較して最大 8 倍高いフレームレートを発揮し、フレーム生成からマルチフレーム生成にアップグレードすることで、フレームレートを最大 1.7 倍向上させます。

新しい Transformer モデル - 高い画像品質を GeForce RTX ゲーマー全員に

DLSS 4 は、DLSS レイ再構成、DLSS 超解像度、DLAA のメジャーなアーキテクチャアップグレードを備え、グラフィックス業界初の transformer ベースモデルのリアルタイム使用を可能にしました。

以前は、DLSS は畳み込みニューラルネットワーク (CNN) を使用して局所的なコンテキストを分析し、連続したフレーム内のそれらの領域の変化を追跡して新しいピクセルを生成していました。6 年間にわたる継続的な改善の後、NVIDIA は、DLSS CNN アーキテクチャで可能な限界に到達しました

。 新しい DLSS transformer モデルでは Vision Transformer を採用しているため、フレーム全体および複数のフレーム全体で各ピクセルの相対的な重要性を評価するオペレーションを可能にします

。新しいモデルでは、シーンをより深く理解するために CNN モデルの 2 倍のパラメーターを採用しており、より高い安定性、ゴーストの削減、動きのより精密なディテール、そしてシーンのより滑らかなエッジを実現したピクセルを生成します。 レイ トレーシングが多用されるコンテンツにおいて、レイ再構成に適した新しい transformer モデルは、特に複雑なライティング条件のシーンで画像品質の大きな向上を実現します。たとえば、以下の 『Alan Wake 2』 のシーンでは、非常に細かな金網フェンスの安定性が向上しているほか、ファンの羽根のゴーストが減少し、電線のちらつきがなくなっています。これにより、三人称視点ゲームでのプレイヤーの没入体験が向上します。

 

さらに、超解像度に対応する transformer モデルも有望な結果を示しており、ベータ版としてリリースされる予定です。ユーザーはこのモデルに対し、公式リリース前に改良すべき点を調査し、フィードバックを提供できるようになります。このモデルは、経時安定性、ゴースト低減、動作のディテールの面で改善されています。

新しい transformer モデルアーキテクチャは、CNN アーキテクチャで過去 6 年間 に行われたのと同様に、長期的なヘッドルームを提供し画質の継続的な改善を実現します。

 

『Horizon Forbidden West™ Complete Edition』では、新しいベータ版超解像度 DLSS transformer モデルがゲーム全体の透明度を高め、主人公アーロイの服やアクセサリーのテクスチャーのディテールを緻密に表現します。

配信初日から 75 本のゲームとアプリでマルチフレーム生成を体験可能

マルチフレーム生成と新しい transformer モデルは、いずれも既存の DLSS 統合と後方互換性を持つように構築されています。

GeForce RTX 50 シリーズ グラフィックスカードの発売後は、GeForce RTX 50 シリーズをお使いのゲーマーは 75 本のゲームとアプリのパフォーマンスを DLSS マルチフレーム生成で増幅できるほか、また GeForce RTX ユーザー全員が、50 本以上のゲームとアプリで新しい transformer ベースの DLSS レイ再構築、DLSS 超解像度、および DLAA を体験することができます。

GeForce RTX 50 シリーズ GPU の発売に伴い、『Alan Wake 2』、『サイバーパンク2077』、『インディ・ジョーンズ/大いなる円環™』、および『スター・ウォーズ 無法者たち™』がネイティブで DLSS マルチフレーム生成に対応するようアップデートされます。『黒神話:悟空』、『NARAKA: BLADEPOINT』、『マーベル・ライバルズ』および『Microsoft Flight Simulator 2024』も将来的に対応する予定です。加えて、『Black State』、『DOOM: The Dark Ages』、および『Dune: Awakening』は発売時から DLSS マルチフレーム生成に対応します。

最新の DLSS モデルおよび機能にまだアップデートされていない多くのゲームについて、NVIDIA アプリでは新しい DLSS オーバーライド 機能を通じてサポートが可能になります。GeForce RTX 50 シリーズ GPU のリリースと共に、新しい GeForce Game Ready ドライバーと最新の NVIDIA アプリアップデートのインストール後、サポートされている各タイトルの [グラフィックス > プログラム設定] 画面の [ドライバー設定] から、以下の DLSS オーバーライド オプションが利用可能になります

  • 。 フレーム生成用
  • DLSS オーバーライド - ゲーム内でフレーム生成を ON に設定すると、GeForce RTX 50 シリーズ ユーザーはマルチフレーム生成が利用できます。 モデルプリセット用 DLSS オーバーライド - ゲーム内で DLSS を ON に設定すると、GeForce RTX 50 シリーズ および GeForce RTX 40 シリーズ ユーザーは最新のフレーム生成モデルを利用できるほか、超解像度およびレイ再構成向けの Transformer モデルをGeForce RTX ユーザー全員が利用できるようになります。 超解像度用
  • DLSS オーバーライド - ゲーム内で超解像度を ON に設定すると、DLSS 超解像度向けに内部レンダリング解像度が設定され、DLAA または ウルトラ パフォーマンスモードが有効になります。 NVIDIA アプリならば、ほんの数クリックでゲームのアップデートおよび機能

強化が可能です。

NVIDIA アプリ での DLSS オーバーライド に対応するゲームは、より多くのタイトルでの新しい AI モデルのテストが完了するとともに増加していきます。

NVIDIA DLSS 4: 最高の一歩上を行く

NVIDIA DLSS は 2018年に RTX と DLSS が初登場した当時は誰も想像できなかったほどに AI 技術を進歩させ続け、パフォーマンスを改善し、画像品質を向上させ、レイトレース グラフィックスを強化することでゲームに革命をもたらしました。GeForce RTX 50 シリーズ GPU と DLSS 4 の同時リリースにより、GeForce RTX デスクトップおよびラップトップのゲーマー全員がアップグレードを受け、ゲームやアプリのさらなる改善の恩恵を受けることができます。

今後の DLSS 開発については、GeForce.com をご確認ください。またその間、他の GeForce RTX 50 シリーズの発表をすべてチェックすることで、ゲームやアプリの体験をさらに改善する方法もご覧いただけます。