バーチャル リアリティのゲームの世界で、EVE: Valkyrie は最も没入感のある、アクション満載のタイトルの 1 つであり、星々のあいだで他のプレイヤーと空中戦を繰り広げることができます。コントローラや戦闘スティックを使って戦闘機を操縦し、首を動かして上下左右を確認し、敵を探し出してミサイルや大砲など多くの武器で攻撃します。

EVE: Valkyrie は、ヘッドセットの発売後に発表された最初の VR ゲームの 1 つです。その間に、エンジン テクノロジやゲーム パフォーマンスが大幅に向上してきました。開発元の CCP Games は、この新しい技術とカスタム メイドの製品を使用して EVE: Valkyrie をアップデートし、GeForce GTX 1070、1080、1080 Ti システム向けに設計された「Ultra」グラフィックス設定を導入しました。

このアップデートには、CCP の新しいエフェクトや NVIDIA の 4 つの新機能が含まれています。その中でも傑出しているのが NVIDIA のボリュメトリック ライティングです。EVE: Valkyrie 全体に明るい光線を加え、驚くような戦場を作り出しています。「ゴッドレイ」とも呼ばれるこれらの光線は、太陽その他の明るい光源から生じ、物体や環境と交差して、あらゆる光景の見た目とリアルさを向上します。


クリックしてインタラクティブ比較をロードし、ボリュメトリック ライティングによりシーンの見た目がどのように変わるかご覧ください

アンチエイリアスは、すべてのゲームにおいて重要なエフェクトです。ギザギザのエッジを滑らかにし、画質を向上させ、オープニング シーンからゲームの終了クレジットまで、細部の明瞭さを向上します。VR ではディスプレイが目から 1 インチしか離れておらず、ギザギザがはるかに目立ち、すべての細部が見えるため、このエフェクトがさらに重要になります。

EVE: Valkyrie の Ultra アップデートの前は、ギザギザが見えるのを抑えるために、シーンをぼかす高速の後処理技術を使用していましたが、そのせいでゲームのディテールの明瞭度も低下していました。しかし、今では EVE: Valkyrie のプレイヤーは、Multi-Sample G-Buffer Anti-Aliasing (MSGAA) と呼ばれる優れたアンチエイリアス技術を使用できます。ゲーム内では、コックピットのギザギザが少なくなり、ユーザー インターフェースがより鮮明で滑らかになり、遠くのディテールが明確になり、チラつきが減るため、Ultra の新しい鏡面ハイライトもさらに美しく見えるようになります。


クリックしてインタラクティブ比較をロードし、MSGAA の時間的安定性と優れた鏡面ハイライト アンチエイリアスにより、FXAA とスーパーサンプリングのアンチエイリアスが改善する様子をご覧ください。これを試すには、ゲーム内で [Settings (設定)] -> [Graphics (グラフィックス)] -> [Advanced Settings (高度な設定)] -> [Resolution (解像度)] を選択してから、[MSGAA] を選択し、EVE: Valkyrie の解像度を 175% にしてください

ボリュメトリック ライティング と MSGAA に加え、EVE: Valkyrie の Ultra モードにより、CCP が開発した改良と機能強化が追加されます。最も顕著な点は、コックピット照明が改良されたことや、前述の鏡面ハイライトが光沢のある表面に追加されたことです。


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シェーダーと反射にも改善が見られます。環境の照明や影がこれまで以上に美しくなり、戦場に深み、美しさ、リアリズムが生まれています。そして、宇宙船からはダイナミックな照明を放ち、移動中の道筋を照らすことができます。これらのすべての機能強化により、ゲームプレイのルック アンド フィールに大きな違いが生じています。空間はボリュメトリック ライティングによって本物のように照らされ、戦場は発射物が音を立てて飛び交うことでよりダイナミックかつアクティブになり、MSGAA の効果ですべてがより鮮明で、美しく見えるようになります。


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すでにご存知と思いますが、VR ゲームを滑らかで滞りのないフレームレートでプレイするには、90 フレーム/秒で安定して実行する必要があります。これにはグラフィックス カードに多くの負担がかかり、これらの新しいエフェクトを追加することによって、さらに負荷がかかります。そのため、NVIDIA のVRWorks Lens Matched Shading 技術が GeForce GTX 10 シリーズのゲーマーのために EVE: Valkyrie に追加されました。

簡単に説明すると、Lens Match Shading (LMS) は、独自の革新的なレンダリング手法であり、ゲーム開発者は、完全な長方形をレンダリングする代わりに、ヘッドセット レンズの独特な形状にレンダリングすることで、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。LMS を代わりに使用して、EVE: Valkyrie のパフォーマンスを最大 30% 向上させることで、Ultra エフェクトを利用したり、あるいはシステムによるゲーム処理が遅かった場合に、より高速で滑らかなフレームレートを楽しんだりする余裕が生まれます。

下の左側には、ゲームで Lens Matched Shading を使用していないときに、VR ヘッドセットがレンダリングしている内容が表示されます。そして、右側には、プレイヤーがヘッドセットで実際に見ているものが表示されます。

First-pass image
初回パス画像

Final image required for correct viewing through the HMD optics
HMD を通して正しく見るために必要な最終画像

このプロセスでは、必要分よりも 86% 多くピクセルのレンダリングを行うため、パフォーマンスが低下します。LMS は異なるタクトを使用して、初回通過画像をオフから最終画像に大幅に近いところでレンダリングします。これを達成するために、Pascal の Simultaneous Multi-Projection テクノロジは元の四角形を 4 つの象眼に分割し、最終画像が適切な形状になるように調整します。以下の画像からわかるように、LMS は最終画像にはるかに近いところから始まります。

First-pass image with Lens Matched Shading
Lens Matched Shading による初回パス画像

Final image
最終画像

技術的に説明すると、ヘッドセットに表示される最終的な画像は片眼で 1.1 メガピクセルです。初回パス画像は、Lens Matched Shading なしの場合、片眼で 2.1 メガピクセルで、Lens Matched Shading ありの場合、片眼で 1.4 メガピクセルです。これによりピクセル シェーディングのスループットが 50% 向上し、 EVE: Valkyrie のプレイヤーはゲーム中のパフォーマンスが最大 30% 向上します。

LMS のパフォーマンス上の利点と、スムーズな Ultra モードのゲームプレイの必要性を実証するために、VR フレームレートとスムーズさを測定するパフォーマンス解析ツールである FCAT VR を使用しました。

以下で、EVE: Valkyrie で Ultra モードを使用し、GeForce GTX 1060の Lens Matched Shading を使用した場合とそうでない場合の FCAT VR 出力をご覧ください。チャート下部に黄色で示されているように、GeForce GTX 1060 は、この高いパフォーマンスが必要なシナリオでは理想を下回り、他のほぼすべてのフレームが合成されています。

言い換えれば、90FPS のフレームレートを維持するためには、フレームを人工的に作成して、滑らかなゲームプレイの印象を与える必要があるということです。この 90 未満の体験は、チャートの上半分のフレームタイム チャートを見ても分かります。そこでは各フレームのレンダリング時間が 90 FPS VR ゲーミングに必要な 11.1ms を大幅に上回っています。

EVE: Valkyrie GeForce GTX 1060 Benchmark: Lens Matched Shading On vs. Off

GeForce GTX 1070 を使用し、Lens Matched Shading を有効化すると、パフォーマンスと滑らかさが目に見えて向上します (完璧な体験を得るには、残ったいくつかの合成フレームをなくすために、Ultra の設定を 1 つか 2 つ無効化することが必要な場合もあります)。または、「Aggressive Lens Matched Shading」を有効にすることで、画質をわずか下げてパフォーマンスがさらに向上させることもできます。

EVE: Valkyrie GeForce GTX 1070 Benchmark: Lens Matched Shading On vs. Off

GeForce GTX 1080 で、Lens Matched Shading を有効にすると、さらに体験が向上し、ゲーマーはすべての戦いでとても滑らかな体験が得られます。

EVE: Valkyrie GeForce GTX 1080 Benchmark: Lens Matched Shading On vs. Off

そして最後に、GeForce GTX 1080 Ti では、Lens Matched Shading が無効になっていてもほぼ完璧な結果が得られます。つまり Lens Matched Shading を有効にすれば、さらに高い解像度にも対応できるということです。その結果、非常にきめ細やかな VR 画像を 90 フレーム/秒で安定して実行することができ、ドロップフレームもわずかしかなく、EVE: Valkyrie の素晴らしいゲームプレイ中に気付くことはありません。

EVE: Valkyrie GeForce GTX 1080 Ti Benchmark: Lens Matched Shading On vs. Off

GeForce GTX 970、980、980 Ti などの GeForce GTX 900 シリーズの第 2 世代 Maxwell アーキテクチャ GPU を使用しているゲーマーは、代わりに NVIDIA VRWorks Multi-Res Shading を使用することで、パフォーマンスを向上させ、グラフィックの忠実度も向上させることができます。

その仕組みは、VR ヘッドセットのそれぞれの目の部分を 9 つの部分に細分化して、各部の解像度を独立して制御するというものです。これにより、中心視野の画像の品質を落とさずに、周辺視野における画像の解像度を下げ、全体の画質を維持しながらパフォーマンスを向上させることができます。また、この向上したパフォーマンスを利用して、追加の設定を有効にすることもできます。

以上で解説は終わりです。GeForce GTX グラフィックス カードと新しい Ultra モードの他の機能などを使用して、EVE: Valkyrie の画質とパフォーマンスを向上させましょう。このアップデートは、ゲームの Oculus Rift と HTC Vive の両バージョンで利用可能です。最初に、EVE: Valkyrie Game Ready ドライバーGeForce Experience または GeForce.comからダウンロードしてください。EVE: Valkyrie 自体の詳細については、ゲームの公式サイトを参照してください。