新しいフレームワープ技術を搭載した NVIDIA Reflex 2 は、ゲームの遅延を最大 75% 削減します。

対戦型ゲームでは、数ミリ秒の入力ラグが勝敗を分けることもあります。

2020 年に、トップレベルの対戦型ゲームにおける PC 遅延を平均 50% 削減する革新的な技術である NVIDIA Reflex をリリースしました。NVIDIA Reflex は CPU と GPU の作業を同期化することで、これを実現し、プレイヤーのアクションをより素早くゲームに反映することで、ゲーマーはマルチプレイヤー ゲームでは優位に立ち、シングルプレイヤー タイトルでは、応答性を向上させることができます。

過去 4 年間で NVIDIA Reflex は 100 以上のゲームに搭載され、数千万の GeForce ゲーマーの遅延時間を削減してきました。ゲーマーの 90% 以上が、Reflex を有効にすることで、応答性が向上し、より正確に照準を定め、さらに多くのゲームで勝利を収めることができています。

CES 2025 では、PC の遅延を最大 75% 削減可能な NVIDIA Reflex 2 を発表します。Reflex 2 は、Reflex 低遅延モードと新しいフレーム ワープ技術を組み合わせており、ディスプレイに送信する前に最新のマウス入力に基づいてレンダリングされたゲーム フレームを更新することで、遅延をさらに低減します。

 

NVIDIA Reflex 2 の解説

ビデオゲーム内のプレイヤーが取るすべてのアクションは、画面上にレンダリングされる前に複雑なパイプラインを通過し、各ステップで遅延が発生します。キーボードとマウスからの入力はゲームに渡され、その効果は CPU により計算されます。結果はレンダリング キューに配置され、レンダリングのために GPU に渡され、最後にディスプレイに出力されます。

このプロセスは通常、フレームごとに数十ミリ秒で実行されますが、ストールやその他の遅れによって遅延時間が増し、ゲームの応答性が悪く感じられることがあります。

Reflex の発売と同時に、ゲーム エンジンに直接統合された SDK を用いて、マウスからディスプレイまでの遅延パイプラインを最適化することに着手しました。Reflex は、CPU のペース配分を改善し、CPU が先行し過ぎるのを防ぎます。これにより、GPU が作業を開始するタイミングでタスクを GPU に送信できるようになり、効果的にレンダリング キューを排除します。さらに、CPU の作業を後から開始することで、フレームが GPU に送信されるタイミングに近いタイミングでマウス入力を取り込むことができるようになり、応答性が一段と向上しています。

Reflex 2 では、遅延を削減するために異なるアプローチを導入しました。4 年前、NVIDIA の e スポーツ研究チームは、フレームのレンダリング後、さらに新しいマウス入力に基づいて更新すると、プレイヤーがより素早く照準を定めることができることを示す研究を発表しました。この実験では、80 ミリ秒の遅延を短縮できるようにゲーム フレームが更新され、プレイヤーは照準をターゲットに定めるテストを 30% 速く完了しました。

例えば、プレイヤーがマウスで右を狙う場合、通常そのアクションを受信し、新しいカメラの視点をレンダリングし、最終的に表示されるまでにしばらく時間がかかります。その代わりに既存のフレームを右にシフトまたは反転させて、結果をより早く表示できるとしたらどうでしょうか?

Reflex 2 のフレーム ワープは、このコンセプトを研究から現実のものにしました。フレームが GPU によってレンダリングされるため、CPU は最新のマウスまたはコントローラの入力に基づいて、パイプライン内の次のフレームのカメラ位置を計算します。フレーム ワープは、CPU から新しいカメラ位置をサンプリングし、GPU でレンダリングしたばかりのフレームをこの新しいカメラ位置にワープします。ワープはできるだけ遅く、レンダリングされたフレームがディスプレイに送信される直前に行われ、最新のマウス入力が画面に反映されるようにします。

フレーム ワープがゲーム ピクセルを移動させると、画像に小さな穴が作られ、カメラ位置の変化により、ゲーム シーンの新しい部分が現れます。NVIDIA は研究を通じて、遅延を最適化するための予測レンダリング アルゴリズムを開発しました。このアルゴリズムは前のフレームからのカメラ、色、深度データを使用して、これらの穴を正確にインペイントします。プレイヤーは、レンダリングされたフレームを最新のカメラ視点から、穴なしの状態で見ることができるため、ゲーム内カメラを移動させるアクションの遅延が低減されます。これにより、プレイヤーは狙いを定めやすくなり、敵を正確に追跡し、より多くのショットを打つことができます。

こちらは Embark Studios の『THE FINALS』でのフレーム ワープの例で、インペイントを使用した場合とインペイントを使用しない場合を比較しています。

 

結果として、最新のカメラ位置を示すフレームが、レンダリング パイプラインにシームレスに挿入されました。

Reflex を使用しない場合、GeForce RTX 5070 で『THE FINALS』を 4K の最高設定でプレイした際の PC 遅延は 56 ミリ秒でした。Reflex 低遅延により、遅延は半分以下の 27 ミリ秒になりました。また Reflex 2 を有効にすることで、フレーム ワープは入力遅延をほぼフレームタイム全体分削減し、遅延をさらに 50% 短縮して 14 ミリ秒にします。その結果、フレーム ワープを備えた NVIDIA Reflex 2 を有効にすることで、全体的な遅延が 75% 削減されました。

Reflex 低遅延モードは、PC が GPU ボトルネックに陥っている場合に最も効果的です。しかし、フレーム ワープを備えた Reflex 2 は、CPU と GPU の両方がボトルネックになるシナリオで大幅な時間短縮を実現します。Riot Games の『VALORANT』は、CPU がボトルネックですが、新しい GeForce RTX 5090 で 800FPS 以上の驚異的な速さで動作します。Reflex 2 のフレーム ワープを使用すると、PC 遅延は平均 3 ミリ秒以下となり、一人称視点シューティング ゲームで測定された最も低い遅延の数値となりました。

 

NVIDIA Reflex 2 は間もなく『THE FINALS』と『VALORANT』に登場し、まず GeForce RTX 50 シリーズ GPU でデビューしたのち、今後のアップデートで他の GeForce RTX GPU のサポートが追加される予定です。

Reflex 2 の提供に関する最新情報や、新しい技術を組み込んだ今後のゲームについては、GeForce.com をご覧ください。

その間に、

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