NVIDIA RTX IO GPU アクセラレーテッド ストレージ技術が今月『Portal: Prelude RTX』と『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』に登場

執筆者: Andrew Burnes 投稿日: 2023年7月18日火曜日 | 特集記事 GeForce RTX GPU ハードウェア NVIDIA RTX NVIDIA RTX IO Portal with RTX

果てしなく広がるオープン ワールドでの高速なローディングとスムーズなナビゲーションは、ゲーマーや開発者の長年の目標でした。NVMe SSD の驚異的な性能をもってしても、この目標には手が届きませんでした。現代のゲーム エンジンは、従来のストレージ API の能力を超えており、新世代の入出力 (IO) アーキテクチャが必要とされています。

NVIDIA RTX IO の登場により、GPU ベースの高速なローディングとゲーム アセットの解凍が可能になり、ハード ドライブや従来のストレージ API に比べて IO 性能が大幅に加速します。NVIDIA RTX IO は、より小さなデータ パッケージのための GPU 解凍を活用し、より速いロード時間とより低い CPU 利用率を実現し、開発者が巨大で非常に詳細な世界を持つ新世代のゲームを作成できるようにします。

NVIDIA RTX IO は、無料の『Portal: Prelude RTX』MOD と共にデビューします。また、7 月 27 日発売の『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』にも搭載される予定です。

RTX IO の仕組み

NVIDIA RTX IO は、GeForce GPU の高度なアーキテクチャを活用し、CPUの数十コアに相当する処理を GPU にオフロードすることで、より高速なゲーム ローディングを可能にし、大規模で非常に詳細なオープン ワールド ゲームの新時代への扉を開きます。RTX IO は、Microsoft の DirectStorage と新しい Vulkan 拡張機能の両方で利用されている NVIDIA が貢献したオープンな GPU 圧縮規格である GDeflate に基づいています。

従来、データはディスク ドライブから CPU に送られ、システム メモリにて解凍され、GPU に送られます。このシステムは、今日の Gen4 や Gen5 の PCIe NVME SSD の能力を念頭に置いて設計されておらず、それらの能力のほんの一部しか使用していません。CPU とシステム メモリからのボトルネックと大きなアセットが組み合わさると、新しい SSD のメリットが制限され、アセットのロードが遅くなり、ゲーム内のテクスチャのポップインやロード時間が長くなる可能性があります。

従来の IO プロセスは、今日のコンテンツが豊富なゲームにおいてボトルネックの原因となっています

NVIDIA RTX IO は、CPU システム メモリ内での圧縮データの一時保管を最小限して GPU メモリに送ることにより、IO 帯域幅を劇的に向上させます。GPU は GDeflate を使用した解凍を高いスループットで行い、CPU は他のタスクを実行することができます。その結果、オブジェクトのポップインやスタッターが減少し、高品質なテクスチャを驚異的な速度でストリーミングできるようになり、たとえワールドを高速で移動していても、すべてが快適に動作し、美しく見えるようになります。さらに、ロスレス圧縮により、ゲームのダウンロードとインストールのサイズが縮小され、ゲーマーは性能を改善させながら、より多くのゲームを SSD に格納することができます。

NVIDIA RTX IO は、GPU による高速な解凍を活用し、より高速な IO スループットを実現します

RTX IO は最新の DirectX 12 GPU すべてでサポートされていますが、GPU 内のできるだけ多くの並列コアで実行されるように設計されているため、IO スループットがボトルネックでない場合、利用可能な計算コアが多いほど性能が高くなります。基本的に、ロード時間はより強力な GPU と SSD で最も速くなります。具体的なスピードアップは、ゲームやシーン、GPU とディスク ドライブの組み合わせによって異なります。

Portal: Prelude RTX』では、NVIDIA RTX IO が常にオンになっており (メニューで切り替える必要はありません)、テクスチャのロード時間が大幅に短縮され、アセットのポップインを最小限に抑えることができます。

 

『Portal: Prelude RTX』 - GeForce RTX 4090 と Samsung 980 Pro NVMe で、4K 最高設定で RTX IO を使用した場合のテクスチャ ロード時間の短縮

Portal: Prelude RTX』を実現するために NVIDIA RTX Remix が使用されました。RTX IO と Vulkan 拡張機能を使った GDeflate の GPU 解凍により、『Portal: Prelude RTX』のインストール サイズは 44% 縮小され、最小限の容量で豪華な 4K テクスチャをロスレスで体験できるようになりました。RTX Remix クリエイター ツールキットがリリースされれば、すべての MOD 制作者は RTX IO を活用することで、人気の MOD サイトが定めるファイル サイズの制限内に収めながら、芸術的なビジョンに忠実な MOD を制作できるようになります。

7 月 27 日発売の『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』では、次元間をジャンプするときに高品質なテクスチャと詳細度の高い環境を迅速に読み込むために、NVIDIA RTX IO が使われています。RTX IO によって高速化された DirectStorage と、高速な NVMe SSD を使用することで、最高設定でも非常に応答性の高いテクスチャ ストリーミングを実現します。

Nixxes Software のシニア リード プログラマーである Richard van der Laan 氏は、次のように説明しています。「迅速なローディングと次元間の即時遷移を可能にするために、ゲームではアセットを迅速にロードする必要があります。DirectStorage は、迅速なロード時間を保証し、GPU 解凍は、高グラフィックス設定でプレイ中にバックグラウンドでアセットをストリーミングするために使用されます」

RTX IO が DirectStorage と Vulkan をサポート

RTX IO は、NVIDIA が貢献した、普及と互換性を最大化するためのオープンな GPU 圧縮標準である GDeflate に基づいて構築されています。各 IHV (Independent Hardware Vendor) は、ドライバーでサポートを追加することができ、開発者は複数のプラットフォームにわたってその技術を簡単に組み込むことができます。RTX IOは、DirectStorage を通じて DirectXを サポートし、Vulkan 拡張機能を通じて Vulkan をサポートします。

NVIDIA RTX IO は、DirectX と Vulkan の両方をサポートするオープン スタンダードの GPU 圧縮標準を活用しています

Maxwell またはそれ以降のアーキテクチャの GeForce GTX および RTX PC とノート PC では、Game Ready ドライバーにより、この技術の性能がさらに向上します。RTX IO が統合されたタイトルでは、GeForce RTX GPU の全能力が活用され、決定的な体験が得られます。

開発者は、DirectX および Vulkan アプリケーションに RTX IO を追加する方法について、こちらで詳しく知ることができます。

『Portal: Prelude RTX』が NVIDIA RTX IO とともに本日リリース

Portal: Prelude RTX』は、史上最高の評価を得た『Portal』の MOD のフル レイトレース リマスターであり、本日よりダウンロード可能です。制作者は NVIDIA RTX Remix を使用し、『Portal with RTX』からのインスピレーションを得て、名作を再考しました。『Portal: Prelude RTX』は、何百もの追加のリマスター マテリアルとアセット、新しいフルボイスのストーリー、そしてゲームプレイ向上のためのレベル デザインの更新を特徴としています。

 

この素晴らしいリマスターは本日より無料で配信され、Steam で『Portal』をお持ちの方ならどなたでもダウンロードできます。RTX IO を活用することで、ダウンロード サイズは大幅に縮小され、ロード時間も短縮されています。『Portal: Prelude RTX』の詳細については、『Portal: Prelude RTX』の記事をご覧ください。

『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』が RTX IO を搭載して 7 月 27 日発売

7 月 27 日に、高い評価を得た『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』が、Insomniac Games と Nixxes Software により PC に登場します。『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』は、RTX IO をサポートし、DirectStorage ランタイムと RTX IO を可能にする Game Ready ドライバーを活用することで、次元を飛び越えるゲームプレイが滑らかでエキサイティングなものになります。

 

最高の初日体験のために 7 月 18 日 に GeForce Game Ready ドライバーをダウンロード

本日、最新の GeForce Game Ready ドライバーをリリースしました。『Portal: Prelude RTX』、『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』などのゲーム向けに最適化されています。この 2 つのタイトルで NVIDIA RTX IO と DirectStorage for Windows を使用する場合に、最高レベルの性能が得られます。

ダウンロードとインストールするには、GeForce Experience の「ドライバー」タブまたは GeForce.com にアクセスしてください。

NVIDIA RTX IO で進化するゲーミング

開発者は常に技術の限界に挑戦しています。最新の進歩とエンジンのアップグレードによって、開発者は NVIDIA RTX IO、GDeflate、Microsoft DirectStorage for Windows によるこれまで以上に高速なローディングを使い、移動可能な巨大な世界にフォトリアリスティックに近い環境を作成することができます。これらの技術により、ゲーム体験では目に見える詳細レベル (LOD) の遷移がはるかに少なくなり、アセットのポップインがほとんど目立たなくなり、テクスチャのローディングが速くなりなります。

GeForce RTX 40 シリーズ GPU を使用すれば、可能な限り最速の性能が得られます。他のすべての最新の GeForce GPU ユーザーは、『Portal: Prelude RTX』のように、Game Ready ドライバーと RTX IO ゲーム最適化から大きな恩恵を得られます。

次にどのゲームが NVIDIA RTX IO を追加するかを知るために、引き続き GeForce.com にご注目ください。